出来事2017 大阪府で起きた「維新一般質問の売るネタ」準備事件 後編


今回は、そのとき、私が部(環境農林水産部)に意見したけどスルーだったことや、のちに新聞社にすっぱ抜かれたときの府庁内部の納得のいかない対応のことなどを時系列で書きます。

●9月21日 

私は、自分の所属長(室長)に、「問題となった部長指示メール」の指示を撤回してもらえるよう意見のメールをしました(以下の《メール1》)。

府庁でこういうメールを、業務系列でもない職員が幹部に出すというのは大変勇気が要りました。
でも府民への裏切りはガマンならなかったので私はメールを出しました。


●9月22日 

「部長にその旨を伝えた」と、室長から私に報告がありました。

しかし、その後も、部(環境農林水産部)からは私に何のレスポンスも無しでした。

●同日の9月22日 

部は、担当者あてに、「議員からの質問には事前に備えるように」という趣旨のメールを出しました。

「問題となった部長指示メール」の訂正ではなく、単なるごまかしでした。
私は、たまたまそれを知りましたが、私にはそのメールは送られず、部からの説明もありませんでした。

●9月27日 

私は、室長にこのような対応は残念であったという感想を送りました(以下の《メール2》)。

特に組織からの対応はなく、それ以上のことは私にはできませんでした。

そして約3か月後・・・


●12月5日 

読売新聞がこの件を「忖度」問題として報道(以下は記事のイメージ写真)。

読売報道のあと、NHKほか、主要メディアも後追いで報道しました。
部の総務課にも取材は殺到していたようです。

私も意見をしたのを忘れていたころだったので、急転直下で、おどろきました。

読売新聞の記事には、『部内から「維新に便宜を図ることになる」と批判が上がり、議会担当職員は同22日(中略)文面を書き換え、メールを再送した』とあります。

これって時系列で言って、「部内から批判」上げたのって、私のことですよね。

当時、部は、私に対して一言もなかった上に、22日に送信した単なるごまかしメールを、あたかも訂正メールのように、新聞社には言い訳したのです。なんという姑息な。

それだけでなく、組織(幹部)の姑息な姿勢というのは一貫していて、騒ぎの渦中、各フロアの状況がどうなっているのか、人づてで情報を入手していくと、いくつかのフロアでは反省するどころか、どうやって今までどおりの自分たちを続けるか、という方向の中間管理職の忖度意見がちらほらと出ているようでした。


それがガマンならなくて、私は職場でビラを配布することにしました。

●12月9日
私は、以下の内容のビラを、環境農林水産部で配布しました。


●その後、起きたこと
ビラを配布した後か前か忘れましたが、幹部会議で、「大石が(読売に)やった」というセリフが出たそうです。

違うし。
別にどっちでもいいけど。いいかげん、ちゃんと反省しろ。

反省せずに「誰が犯人か」いうてる場合か?

組織に抵抗するのは私だけ、だと思っているんでしょうね。ばかげてる。

そして、そんな反省のない組織なので、ビラ配布後も、部から末端の職員への説明はないままでした。
(意味のわからない抽象的な訓示めいたものや、「内部情報の持ち出しには注意」といった、逆に圧力のような資料が全員配布にされたりはありましたが。)

私以外の職員も、こんな状況はおかしいと、色んな職員に意見を聞き取ったりして動いてくれた職員もいます。
でも、そういう動きをすると逆に「何を探ってるん?」みたいになりますね。

リスクは承知で、職場を良くしたい、という純粋な思いで動いてくれているのに。

また、トラブルが起きたとき、その同心円に近い職員ほど、「部長は悪くなかった」みたいに本気で思いこむ傾向も見られました。

同心円から離れるほど、職員の多くは「あんな指示は、ありえない」って言っていました。

それこそ、副知事レベルの役職の人でもね。


その構図は、府庁だけではないと思います。

電通で過労死された若い方のことを、同僚が悪く言う、ということもありました。

やはり働く現場には、厳然と「支配」というのがある。

この「支配」の問題を解決しないと、組織の不正を正すことや、過労死をなくすことや、現場の意見を採用していくことは困難だと私は思います。

府庁だけではなく、役所であっても民間企業であっても。


本当に人々のために仕事をする人が、しっかりと徒党を組んで、上層による不正やつまらない組織の論理には毅然と対応して、組織を正常化していいったときに、良い仕事ができると思います。

人のためになる良い仕事をして、おいしいご飯とお酒を飲んで、楽しく豊かに過ごして、社会が回っていく。
日本の職場を、早くそんな職場にしませんか。

私も、いったん府職員としては府庁を去りましたが、そんないきいきとした府庁になるのをめざしています。

タイトルとURLをコピーしました