2025年12月5日【文科委員会】教員の休憩時間および学習指導要領について松本文科大臣に質問しました。
青字でブログ掲載にあたっての補足を記載します。
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委員長 次に、大石あきこ君。
大石 れいわ新選組、大石あきこです。
学校の先生に労基法が守れているか、学校の先生が人たるに値する生活をできているかについて伺います。通告していた問い2です。
先週もこの文科委員会の中でこのことをお聞きしましたけれども、学校の先生が長時間労働、過密労働過ぎて休憩時間が取れていないんじゃないかというお話を先週しまして、ちょっと詰めが甘かったなと思いまして、はっきりさせたいなと思っているんです。
それで、問い2ですね。文科省は、2022年に、教員勤務実態調査、令和4年度の調査を行っていて、その勤務実態調査で休憩時間を調べておられるんです。その勤務実態調査でこのように書いてあります。「平日 休憩時間の平均 学校種・職名別」によると、10月、11月の休憩時間について、小学校の先生23分、休憩時間、中学校の教諭が23分、高校の先生36分しか取れていないという調査結果だったんですね。
松本大臣、お伺いしたいんですけれども、この調査結果、法定の45分間の休憩時間を取ることができていないですよね。お答えください。
松本(洋)文科大臣 今委員から御指摘がございましたように、令和4年度に実施をいたしました教員勤務実態調査においては、例えば小学校教諭の休憩時間の平均は、10月、11月が23分、8月が45分となっているところであります。
休憩時間を与えることは、労働基準法第34条の規定により、公立学校においても適用されるものであり、給特法に基づく指針においても、教育委員会が講ずべき措置として、休憩時間の確保に関する労働基準法等の規定を遵守することをお示ししているところであります。
その上で、令和四年度の教員勤務実態調査においては、ごめんなさい、そうですね、ですから、10十月、11月が23分、8月が45分となっていることは事実であります。
大石 45分取れている月もあるということで持ち出しているかもしれませんけれども、それはそれで結構なんですよ。でも、私が聞いているのは、10月、11月の休憩時間、今お答えのように、23分でした。法定の休憩時間は45分ですから、45分中23分しか取れていないということですよね、大臣。
委員長 では、その前に、望月初等中等教育局長。
(大石「官僚の人じゃなくて、大臣に聞いています。何で手を挙げているんですか」と呼発言)
まず局長から事実関係を説明いただいた上で、大臣の見解をお願いしたいと思います。
(大石「なぜ局長からなんですか。簡単なことですよね、これ、さっき答えたし」と発言)(発言する者あり)
事実関係だけまず局長から、その上で大臣にしっかり答弁していただきます。
では、局長、お願いします。望月初等中等教育局長。
(大石「大臣も手を挙げていましたよ、でも」と発言)
大臣は次に答弁していただきます。
望月初等中等教育局長 お答え申し上げます。
所定の労働基準法上の45分というものの時間に比べますと、23分というのは、教員の、自分で1分単位で計ったものとしては少ないということでございます。
松本(洋)文科大臣 今局長から御答弁を申し上げたとおりであります。
大石 松本大臣、この状態、労基法違反ですね。いや、何で手を挙げているんですか。
松本大臣、法定45分の休憩、しかし、この10月、11月、23分であった。労基法違反ですね。
委員長 では、望月初等中等教育局長から、事実関係をまず答弁をお願いします。その上で松本大臣。
望月初等中等教育局長 お答え申し上げます。
労働基準法上の休憩時間につきましては、これは、勤務の割り振りによりまして、校長がその休憩時間というものを割り振っている時間でありまして、今回の勤務実態調査などは、教員が実際業務に離れている時間というものを1分単位で計ったものでございまして、直ちに、23分だからといって、これが労働基準法上違反となるものではないというふうに考えてございます。
大石 大臣、大臣も同じ考えですか。
松本(洋)文科大臣 具体的にどれが違反の事実に当たるのかというのは、いろいろと個別のケースもあるんだと思っております。
考え方としては、今局長が答えたとおりだというふうに考えております。
大石 個別はいろいろあるかもしれないんですよ。だけれども、労基法違反の可能性があると考えますか、大臣。
松本(洋)文科大臣 そこは個別の実態というものを調査をして判断されるべきものだと思います。
大石 文科省自身の2022年の調査です。休憩時間が取れているのかの調査。法定が45分で、この実態調査では小学校23分だったんですから、労基法違反の可能性があると考えるのが普通だと思うんですけれども、労基法違反の可能性はないんですか、大臣。
望月初等中等教育局長 先ほども御説明しましたけれども、労働基準法で定める休憩時間は、使用者が労働者に権利として労働から離れることを保障した上で、労働者に自由に利用させる時間を指してございます。
勤務実態調査の休憩時間というのは、教員の自己申告によりまして、実際に業務から離れた時間がどのくらいあったかを把握したものでございまして、休憩時間のこの23分というものが勤務の割り振りをしていなかったならともかくとして、実際として教員が感覚として把握しているものということですので、直ちに労働基準法上の違反ではないというふうに考えています。
大石 どれだけへ理屈を重ねるんですか。それは私が先週言ったことじゃないですか。
この休憩時間の調査自体が、休憩時間の定義が労基法にまず沿っていませんよね。労基法、これも聞きたかったんですけれども、元々。この休憩時間の調査自体どういう、というか、文科省が労基法の休憩時間の定義をどう考えているんやということを聞きたかったんですよ。
先週申し上げたのは、先ほどおっしゃったように、労基法、労働基準法の施行に関する件ということで、そういった、厚労省がかつて出しているんですけれども、こうなんですよね。休憩時間とは、単に作業に従事しない手持ち時間を含まず労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間の意であってと。だから、1分間の雑談とか、そういった1分単位で詰め合わせたものというのは、そこからして余分なものが入っていますねということは先週申し上げたんですよ。
でも、それを逆に盾に、労基法の定義の休憩時間の調査じゃなかったから、割り振りのことも含まずにカウントしているから、労基法違反と認定できないというのは、それはもうへ理屈にすぎなくて。
今、世の中でも、学校の先生が過労死していたりとか、休憩時間が取れていないって、それは周知の事実ですよね。文科省にはその認識はあるんですか、休憩時間が十分取れていないという認識は。
望月初等中等教育局長 お答え申し上げます。
休憩時間について、教師が自由な時間として活用できるとして、その時間をどう使うかは教師の自由でございます。
それが、なかなか、どういう形で使えるかというところについて、教員が自分の感覚として十分に休めていないんじゃないかということ、そういうことから、今回学校の働き方改革ということを、給特法も含めまして、強力に推し進めようということでございます。
大石 ちょっとよく意味が分からないんですけれども、そもそも、学校の先生の昼休憩、ちょっと望月さんに聞きますよ。学校の先生って、お昼に御飯を食べるじゃないですか、子供たちと一緒に。あれは労基法の休憩時間なんですか。
望月初等中等教育局長 学校の校長の勤務の割り振りとして、いわゆる給食の時間を休憩時間に充てているのか、それをまた分割してしているかというのは、各学校の判断でございますので、給食時間そのものを取って、それが一律に休憩時間というふうに申し上げることはできないと思っています。
大石 子供たちと一緒に食べる給食、お昼御飯の時間、労基法上の休憩になり得るのですか。
望月初等中等教育局長 学校の中でも、チーム学校として様々な役割を持っています、先生方。ですから、子供の給食の時間で先生方がそのまま給食支援に付き添っているという場合は、これは通常は勤務時間になります。勤務時間というか、休憩時間には当たらないと思いますけれども、先生方も担任を持っている方々だけではないわけですので、そういう方々に、給食の時間を休憩時間に勤務の割り振りをすると。これはあると思いますので、休憩時間という時間を取って、それが全部休憩時間であるかないかということではないということを申し上げたところでございます。
大石 もう何回やっても詰め切らぬなと思うんですけれどもね。
多くの方も知らないかもしれませんけれども、子供たちと給食を食べているような時間というのは、学校給食法であったりとか、そういった学校の先生の指導も含まれますし、又は安全配慮義務もかかりますので、一般に休憩時間とは言えないですよね、労基法の定める。だから、本来であれば、学校の先生をちゃんと休ませようと思ったら、かなりの学校の先生を増やして、前後制にしたりとか、お昼御飯までに先生が完全に自由な時間にしていくとか、そうでもなきゃ労基法を守れないんですよ。
うなずいておられますけれども、だから、それぐらい大きなことですので、労基法を守るという文科省になっていただいて、これは大きな問題ですので、また、時間がないので、引き続きこのことはやっていきます。
そうしたら、次は学習指導要領についてなんですけれども、通告では問い5関連です。
今日、学習指導要領のことで国民民主党の方が質疑されて、書道のことをおっしゃっていて、やっぱりこの日本の伝統の書道やと。書道で書き初めとかができるように励ましのお言葉だったりとか、書道を先生方が教えやすいようにカリキュラムを充実させていこうみたいなお話をされていて、結構なことだとは思うんですよ。書道も、私もやらないこともないですしね。結構なことだとは思うんですけれども、松本大臣にお伺いしますが、この書道、学習指導要領にもありますけれども、この書道が、例えば筆ペンになったと。書道はいいことだけれども、筆ペンになったからといって、処分とかはさすがにおかしいですよね。
通告していなかったんです、学習指導要領関連のとき。
大臣にお聞きしたいのは、さっき書道で盛り上がってはったんで、書道で盛り上がるのはいいんで、体制整備もいいんだけれども、さすがに、書道をやれんかったという事情をもって、学習指導要領を守れなかった、処分はないですよね、さすがに。
委員長 学習指導要領に関することについては、まず望月初等中等教育局長からお願いします。
望月初等中等教育局長 御承知のとおり、学習指導要領は法規命令でございます。明らかに、教育課程の時数の中で、書写の時間の確保を小学校等で全くしていないということになれば、これはいわゆる法令違反的なものになるというふうに考えてございます。
ただ、そのときにどんな形で処分ということになるかというのは、またこれは別問題でございます。それは、それぞれの任命権者で、その学校の状況を踏まえて判断すべきものであると考えてございます。
大石 大臣。ごめんなさい。
委員長 では、今の点につきまして、松本大臣。
松本(洋)文科大臣 今局長がお答えになられたとおりだと考えております。
大石 日本の伝統がとか押しつけがましいようなやり方で、筆ペンだったら処分はおかしいんじゃないでしょうかね。
さっきの望月局長の、場合によってはという、学習指導要領は法的拘束力があるのだみたいなお話を元々、これは問題があるんちゃうかということで問い5で通告していたんです。
元々、2025年、今年、学校の先生や学校現場が本当に疲弊して大変なんだ、がちがちなんだみたいなことで、一つ学習指導要領も光が当たりまして、参考人質疑だったりとか、全体の質疑も行われたわけなんですよね。私も6月18日に質疑を行っているところなんですけれども、やはり学習指導要領が、今おっしゃったような、守らなかったら処分されたり、もう袋だたきにされる、守らんかったら死ぬみたいな罰ゲームとして機能してしまっているという現場が、子供たちのためにもなっていなければ、先生が労基法を守った人たるに値する生活も保障されていない大きな要因ですので、学習指導要領でがちがちに縛るな、そもそも学習指導要領ってそういう性質のものではないでしょうという確認を6月18日の質疑で行ったんですね。
でも、そのときに、今も問題でしたけれども、文科省の望月局長の答弁が、やはり、これは解釈がすごくおかしかったんですよね、過去の最高裁大法廷判例と比べて。
そこについて、問い5でお聞きしています。
そもそも、6月18日の局長の答弁、問題答弁がこういうものなんですけれども、「学習指導要領はその全てが大綱的基準でございまして、全体として法規としての性質を有するものでございます。」そういった答弁だったんですけれども、この答弁自体が、過去の、これは学習指導要領の起こりですとか、あるいはその起こりをめぐっての学習指導要領の在り方ですね、そんなことで縛っていいのかという裁判が様々あって、その裁判の最高裁の大法廷判決という、最も最高裁の判決でも重いものに明らかに反しているでしょうということを前回指摘しているんですよ。
問題答弁と言っている問題というのが、特にこれですね、学習指導要領はその全てが大綱的基準である、学習指導要領は全体として法規としての性質を有すること。こういうことを、間違った学習指導要領の誤りによって、学校現場がいろいろ、筆ペンで処分だったりとか、授業時数を守らないといってつるし上げられたりとか、そういう具体的に害悪が生じているということでただしておきたいなと思ったんですよ。
問い5の括弧2の方ですね。今日も述べております最高裁判決というのが、旭川学テ事件の最高裁判決なんですけれども、この最高裁判決では、このように示されているんですね。学習指導要領の中には、必ずしも法的拘束力をもって地方公共団体を制約し、又は教師を強制するのに適切でなく、また、果たしてそのように制約し、ないしは強制する趣旨であるかどうか疑わしいものが幾分含まれているということが示されているので、そもそも、この学習指導要領が全部守らなければいけないルールではないですよねという判決なんですよね。
そういう状況の中で、この判決自体が部分的には法的拘束力を持たせるものが適切でないという部分が含まれていることを前提としているので、望月局長が6月18日に答弁された内容もそうですし、先ほど答弁された中身も実質そうなんです
けれども、やはりこの最高裁判決との解釈に矛盾があるのではないですか。
望月初等中等教育局長 私の過去の答弁でございますので、私の方から御説明させていただきます。
学習指導要領につきましては、その性質上、法令の規定に基づき、教育課程の基準として定めるものでございます。学習指導要領は全体として法規としての性質を有するとした答弁につきましては、学習指導要領の項目によって法規としての性質の有無が区別されるわけではないとの趣旨でございます。学習指導要領が全体として法規としての性質を有するとしても、もちろんこれは各学校で配慮する、工夫するといったことも指導要領に示してございます。学校や教師の判断や裁量を広く想定していることもあるところで、創造的な教育活動というものを、学校現場のものを阻害しているわけではございません。
なお、先ほどの旭川学テ判決のところでも、学習指導要領については、細部にわたるものが幾分含まれているとしつつも、学習指導要領は、全体として大綱的基準としての性格を持ち、合理的な基準の設定として是認することができると最高裁判決も認めているところでございます。
大石 今おっしゃった、最高裁判決の全体として大綱的基準というものなんですよね。でも、局長の答えは、全体が大綱的基準であり、全体に法的拘束力を有することができるという解釈をしているから、そのような解釈変更はいけないですよということを言っているんですよ。
最高裁判決に反するものとは考えていないとお答えなんですけれども、つまりは、具体的にここに反していないでいいですよね。最高裁判決の今から読み上げるここにも反していないとおっしゃってくださいね。聞きます。
学習指導要領の中には、必ずしも法的拘束力をもって地方公共団体を制約し、又は教師を強制するのに適切ではなく、また、果たしてそのように制約し、ないしは強制する趣旨であるかどうか疑わしいものが幾分含まれているという最高裁判決を支持されますね。
望月初等中等教育局長 今、大石委員が読み上げていただいたところは、まさに最高裁判決の一部でございます。
ただ、その後に続けて、細部にわたる部分もあるけれども、全体として見た場合には、教育政策上の当否はともかくとして、少なくとも法的見地からは、上記目的のために必要かつ合理的な基準の設定として是認することができるものと解するということを、全体としての最高裁判決になっていると考えてございます。
大石 ですから、その最高裁判決で、強制する趣旨であるかどうか疑わしいものが幾分含まれているということは支持されるという答えはよかったですけれども、その後の解釈で、だから全体が大綱的基準なんだという結論は論理的におかしいでしょうということは申し上げますが、時間がないので、まとめますね。
毛筆が筆ペンで処分とか、現実には、学習指導要領を守らなかったということで、第3者が何かそういうことを言って、これは自民党が関与したこともあると言われています、そういうことで現場が疲弊しておかしなことになるやろうということを言っているんですよ。書道も大変雅で結構なんですけれども、今、学校の状況というのは、先生が足りなくて、体育の教師が英語とか国語とかを教えているんですよね。PTAに校長先生が、もう学校の先生が足りません、教員免許を持っている人、手を挙げてください、教えてくださいという状況の中で、学習指導要領を守って書道を確実にやるんだみたいな話って、国会の中と外のギャップがすごいですよね。そこが今一番問題なんじゃないかなと私は思っています。
時間が来たので終わります。
※衆議院、文部科学委員会 会議録より転載。大石あきこ事務所にて編集